J|I Japan Investor Interface · Compounder 銘柄レポート
東証スタンダード · 1850 · 3月決算 NANKAI TATSUMURA CONSTRUCTION
南海辰村建設株式会社
関西で事務所・マンション・土木工事を手がける創業100年の総合建設会社。南海電鉄グループ(2026年4月に持株会社化し株式会社NANKAIへ改称)が議決権62%を握るグループ唯一の上場子会社で、グループの駅や商業施設の多くを施工する。
終値
¥4382026年7月13日
2026年1月高値から−31% · 2025年4月安値から+72%
時価総額 / EV
¥123億 / EV ¥64億
ネットキャッシュ ¥59億(時価総額の48%)· 自己株控除後28.0M株
EV/営業利益 · 実績
2.2
FY3/26 営業利益¥28.4億基準 · 有価証券控除後のコアで約1.8倍
ROCE · 実績
20.6%
ROE 11.3% · 営業利益÷投下資本¥138億
営業利益率 · 連結
6.2%
4.5%から改善 · 選別受注が採算を押し上げ
株主構成
62.2% · 親会社
株式会社NANKAIが直接57.7% · グループ唯一の上場会社 · 少数株主分¥47億
はじめに

南海辰村建設は何をしている会社か?

南海辰村建設は大阪に本社を置く総合建設会社である。事務所、マンション、物流・商業施設などの建築と、地盤・基礎工事や鉄道近接工事といった土木工事を手がける。1年間の完成工事のうち建築が約3分の2、土木が約4分の1を占め、残りはごく小さな不動産事業だ。創業は1923年で、2023年に100周年を迎えた。

この会社を語るうえで最も重要なのは、誰が保有しているかである。親会社の南海電気鉄道は、2026年4月1日に持株会社へ移行して株式会社NANKAIへ改称した。同社は議決権の62.2%を20年以上にわたり握っている。南海辰村建設はグループ唯一の上場会社であり、グループの駅、車両基地、商業施設の多くを施工する。この親会社向けの工事は、2026年3月期に売上の約32%まで拡大した(前期は18%)。つまり本社は親子上場であり、最大の顧客が支配株主でもある被支配子会社なのだ。

事業面の物語は、数量から採算への意図的な転換である。2026年3月期は売上高が13.5%減の¥458億となったが、営業利益は19.4%増の¥28.4億に伸び、営業利益率は4.5%から6.2%へ上昇した。経営陣はこれを「選別受注」と呼ぶ。採算の薄い民間建築を手放し、利益の取れる工事を残す方針だ。同社はほぼ無借金で、時価総額¥123億に対し¥59億のネットキャッシュを持ち、2026年4月には初の自己株式取得と増配を実施した。

バリュエーションでは、この2つの事実がぶつかる。2026年7月の株価では、EV/営業利益で約2.2倍——ネットキャッシュと有価証券を除いたコアで約1.8倍——にすぎず、鉄道系のゼネコン同業が6〜8倍で取引されているのと対照的だ。この差の一部は親子上場ディスカウントである。議決権の62%を握られ浮動株の薄い小型株は、相応の理由で割安に放置される。だが同じ構造がカタリストにもなり得る。38%の少数株主を買い取っても、親会社にとっての費用は約¥50〜60億、純資産の2%未満にとどまる。

したがって投資家が見極めるべき点はこうだ。割安でネットキャッシュを持つ被支配の建設会社が、自らの資本還元によって、あるいは親会社が上場を最終的に整理することによって見直されるのか。それとも、親会社が動く理由を持たないまま割安が続くのか。本レポートでは、株価の局面、市場で割れる論点、株主・顧客・競争力の変化、開示と資本政策の余地、バリュエーションの順に確認する。

01 · 株価レジーム

過去2年、株価を動かしたものは何か?

株価は、割安・ネットキャッシュ・低PBRという小型株テーマに乗り、2025年4月の安値から2倍以上に上昇し、2026年1月に高値を付けた。その後、過去最高益と初の自己株買いが出たにもかかわらず約3分の1下落した。翌期計画で減益が示されたためだ。

1850 vs TOPIX · 24か月 · 日足+出来高
ピーク ¥631 · 2026-01-14 安値 ¥255 · 2025-04-07 現在 ¥438
南海辰村建設・日足 60日移動平均 TOPIX リベース (1308.T) 出来高

01 · バリューテーマ相場 2025年4月7日の¥255は、市場全体が売られた局面で付けた安値であり、会社固有の悪材料ではない。そこから株価は2026年初にかけて2倍以上に上昇した。牽引したのは、2025年を通じて日本の小型株を席巻したテーマ——純資産割れで割安・ネットキャッシュの銘柄を買う動きだ。東京証券取引所が2年にわたり収益性改善を促してきた対象でもある。¥400台でネットキャッシュ、PBR半分の建設会社は、まさにその典型だった。

02 · 高値¥631 株価は2026年1月14日に¥631の高値を付け、安値の約2.5倍に達した。通期決算の発表前で、採算改善と身軽なバランスシートが資本還元につながるとの期待が先行した。高値でもなおPBR1倍割れであり、割高圏への上昇ではなく、極端な低評価からの見直しだった。

03 · 材料出尽くし 2026年4月28日の決算は好内容だった。過去最高の営業利益、初の自己株買い、¥6から¥8への増配である。それでも株価は下げた。理由は同じ発表資料にあった。2027年3月期計画は、増収15%の一方で営業利益12%減、純利益22%減と、2026年3月期の高い採算が正常化する内容だったからだ。

04 · 現時点 株価は¥438で、1月高値からは約31%下げたが、2025年の安値は大きく上回っている。現株価では、EV/営業利益で約2.2倍、PBRは約0.64倍、ネットキャッシュは時価総額のほぼ半分に相当する。加えて、支配株主である親会社が、株主への資本還元をこの春に初めて認め始めた。

02 · 投資家論点

市場で割れている論点

ディスカウントが解消するかは3点にかかる。過去最高の採算は持続するか。議決権62%の親会社は価値の重しか、それともカタリストか。親会社向けの内製的な鉄道工事は堀か、ガバナンス上の弱点か。

論点 01 · 利益の質
2026年3月期の最高採算は転換点か、それともピークか?

営業利益は19.4%増、売上高は13.5%減で、営業利益率は4.5%から6.2%へ上がった。経営陣は選別受注——低採算の民間建築を落とす取り組み——の成果と説明する。だが会社自身の2027年3月期計画は営業12%減益であり、示した採算は計画の前提と異なる。

強気減収下の増益は、数量の追い風ではなく案件構成と規律の表れだ。建築の受注残は約¥630億と1年分超あり、採算を優先し続ける余地がある。より安定した土木も伸びている。この経営陣の計画は保守的で、2026年3月期は営業利益¥22.3億計画に対し¥28.4億を達成した。確かめたいのは、2027年3月期の営業利益率が旧来の約4.5%へ戻らず、5.5%超を保てるかだ。
弱気選別受注は一度きりの整理であり、低採算の受注を切れるのは一巡まで。会社自身が営業12%減益・純利益22%減益を計画する。建築受注はすでに34%減っており、採算のよい受注残が新規の高採算工事より速く消化されれば、売上と採算が同時に落ちる。2027年3月期の営業利益が計画の¥25億を実際に上回るか、後退を追認するかを見たい。
論点 02 · 親会社
議決権62%の南海は価値を抑えるのか、カタリストを用意するのか?

南海(現NANKAI)が議決権62.2%を握り、南海辰村はグループ唯一の上場会社だ。親子上場は、少数株主が結果を左右できないため通常割安に取引される。だが取引所と経産省は2023年以降、支配株主に親子上場の整理を促す。少数株主の買い取り費用も約¥50〜60億にすぎない。

強気この構造こそ機会である。少数株主分の価値は約¥47億——南海の純資産の2%未満——で、3〜4割のプレミアムを付けた完全子会社化でも親会社には軽い。親子上場を整理させる圧力も現実に高まっている。仮にそこまで至らなくても、会社は初めて資本還元を始めた。見るべきは、議決権が3分の2のスクイーズアウト水準へ動くか、南海辰村側に特別委員会が設けられるかだ。
弱気期限のない支配株主は、ただ待てばよい。南海自身の資金は難波を中心とする¥3,600億の投資計画に充てられ、小さな建設会社の買い取りは想定外だ。少数株主は親会社の判断——何もしないことを含む——を受け入れる立場にある。初回の自己株買いは小規模で、株数減により浮動株ではなく南海の持分比率を機械的に押し上げた。南海の開示議決権比率が、少数株主への提案なしに上がり続けるかを注視したい。
論点 03 · 内製顧客
親会社向け工事は持続的な堀か、高まる依存か?

南海グループ向けの工事は2026年3月期に売上の約32%まで上がり(前期18%)、親会社への完成工事未収入金は¥80.8億に上る。背後の技術——営業線に近接した安全施工と出向者11名——は希少だ。だが顧客が支配株主でもあることは、その工事が独立当事者間価格かという問いを生む。

強気内製的な鉄道工事は反復的で安定し、外部業者には取りにくい。営業中の列車の脇で施工する能力を持つ会社は少ない。低採算の民間建築を絞るほど、この安定したグループ工事は大きく確実な基盤になる。南海グループは難波の再開発に多額を投じており、建物需要も見込める。見るべきは、グループ工事が少なくとも全社平均並みの採算を保てるかだ。
弱気集中は下がるどころか上がっており、価格は顧客が決める。親会社工事の独立当事者間価格の仕組みは開示されず、少数株主はグループが妥当な採算を払っているか検証できない。¥80.8億の債権もバランスシートを親会社に縛る。親会社の建設サイクルが転じたり条件を絞ったりすれば、内製基盤は逆に働く。親会社向け契約の価格決定や検証の開示があるかを注視したい。
03 · 変化の兆し

株主構成、顧客基盤、競争優位はどう変わりつつあるか

株主構成
誰が保有し、それは変わりつつあるか?
2026年4月 · 初の自己株買いと増配

南海辰村建設は80万株(発行株数の2.78%)を¥3.7億で取得し、うち60万株を消却、配当を¥6から¥8へ引き上げた。自己株を一度も買ったことのなかった会社にとって、これは資本還元方針の始まりであり、経営陣は「資本効率の向上」と位置付けた。難点は、株数減が浮動株ではなく親会社の持分比率を機械的に押し上げる点だ。次の確認:¥59億のネットキャッシュと配当性向11%を踏まえ、還元が拡大するか。

2026年4月 · 親会社が持株会社へ移行

2026年4月1日、南海電気鉄道は鉄道事業を新設の事業会社へ分社し、上場会社は持株会社・株式会社NANKAIとなった。同社は自らをグループの「司令塔」と称し、不動産とポートフォリオ経営に注力するとする。ポートフォリオを明確に管理する持株会社は、「なぜ上場子会社を残すのか」という問いに、統合された鉄道会社よりも強くさらされる。次の確認:持株会社が「グループのポートフォリオ最適化」に言及するか。

FY2024→FY2025 · 政策保有の解消

長く株式を保有してきた建設同業が後退している。大林組は保有をおよそ半減させ約55万株とした。こうした政策保有株主が薄い市場で売り出すなか、自己株買いが一部を吸収する。ただし親会社の直接保有57.7%は動かない。次の確認:同業株主の売却が続くか、株式がどこへ落ち着くか。

顧客基盤
誰が顧客で、需要はどれほど底堅いのか?
FY2026 · 親会社が売上の約32%へ

南海グループ向けの工事は、連結売上の31.9%(¥146億)へと前期の18.4%から急伸した。これは選別受注の裏返しだ。低採算の民間建築を手放すほど、残る内製的なグループ工事の比率が上がる。関係はより粘着的になると同時に、より集中していく。次の確認:親会社比率が売上の3分の1をさらに超えて上がるか。

FY2026 · 建築受注を絞り、土木を維持

採算の薄い工事を手放したことで、新規の建築受注は33.7%減った。一方、土木の受注は14.7%増、土木の売上は20%伸びた。構成はより安定した土木・インフラ工事へ傾いている。建築の受注残はなお¥630億と大きく、売上は受注ほど速くは落ちない。次の確認:土木の売上構成比が上がり続けるか。

常在 · 親会社への¥80億の債権

親会社グループへの完成工事未収入金は¥80.8億に上る。単一の関連当事者に対する大きな債権だ。相手が支配株主であるため信用リスクは低いが、運転資金を親会社の支払いサイクルに縛り、依存を浮き彫りにする。次の確認:この債権が親会社向け売上と歩調を合わせて増えるか。

競争優位・陳腐化
何がマージンを守り、何がそれを削るのか?
現在 · 数量より採算が効いている

選別受注への転換は、1年で営業利益率を4.5%から6.2%へ押し上げた。建設事業の利益率は6.2%だ。これは競争力の表れである。100年の建設会社が、見かけの売上より利益の取れる工事を選んでいる。残された論点は、優先できる採算のよい受注残がどれだけあるかだ。次の確認:容易な選別が一巡した後も採算を保てるか。

常在 · 外部が容易に真似できない鉄道工事

営業中の線路脇での安全施工は希少な技術で、親会社からの出向者11名——うち7名が技術系で多くが鉄道の技術者——がこれを補強する。内製的な関係の耐久的な核であり、模倣は難しい。限界は、親会社自身の投資が続くことに依存する点だ。次の確認:2026年の親会社再編が鉄道工事の流れにどう影響するか。

常在リスク · 人手不足と需要

業界の制約——建設労働の2024年問題(残業規制)、熟練工の高齢化、人口動態で縮む国内建築市場——はいずれも、この規模の建設会社に重くのしかかる。2022〜2023年に建築の採算を圧迫した資材高は和らいだが、消えてはいない。次の確認:3カ年計画における生産性と人材への投資。

04 · きっかけ

開示と資本政策の打ち手

ディスカウント解消の鍵は3つ。遊休の現金をどこまで還元するか、支配株主が上場をどうするか、関連当事者取引の条件を透明にするか、である。

打ち手 01 · 資本還元
ネットキャッシュをもっと還元する——初回の自己株買いは政策ではなく端緒だ。
財務余力 対 FY3/26の還元(億円)
手元ネットキャッシュ
~¥59億
投資有価証券
~¥13億
FY3/26 支払配当
~¥2.3億
初の自己株買い
~¥3.7億
配当性向は利益の11%、ネットキャッシュは時価総額の約48%。
会社は時価総額¥123億に対し、¥59億のネットキャッシュと¥13億の有価証券を持つが、配当は利益の11%にとどまり、自己株買いも小規模な1回だけだ。方針は安定配当と機動的な自己株取得である。次の資本計画が、単発ではなく、増配や自己株買いの継続として明確に大きくなるかが焦点だ。
経営の負担
低い——現金はすでに手元にある
最短のきっかけ
2027年3月期決算
打ち手 02 · 親会社
親子上場の整理——少数株主には引けないレバー。
親会社にとって完全子会社化がなぜ軽いか(億円)
南海の純資産(FY3/25)
~¥3,282億
少数株主買い取り +35%
~¥63億
現株価での少数株主分
~¥47億
38%の少数株主分は、親会社純資産の2%未満。
保有していない38%を買い取っても、親会社の費用は約¥50〜60億——¥3,282億の純資産に対する端数だ。一方で日本の買収指針と取引所の圧力は、支配株主に親子上場の整理を促し続ける。前例は両方向にある。鉄道系親会社には子会社を完全子会社化した例(京成、近鉄)も、上場を維持した例(東急、JR東日本)もある。3分の2のスクイーズアウト水準を超える動き、特別委員会の設置、持株会社のポートフォリオ最適化への言及が兆しだ。
経営の負担
財務的に軽い · 戦略的に重い
最短のきっかけ
親会社のFY2027投資ピーク後
打ち手 03 · 開示
親会社向け工事が独立当事者間価格であることを示す。
親会社の売上構成比(%)
FY3/2025
18.4%
FY3/2026
31.9%
親会社比率が上がるほど、独立当事者間価格の重みが増す。
親会社が売上の3分の1を占め、¥80億の債権も抱えるいま、グループ契約の価格決定と検証を開示する価値は高まる。独立当事者間価格の仕組み、独立委員会による検証、より明確な資本方針を示せば、市場は本業をガバナンスで割り引かず正当に評価しやすくなる。親会社向けの価格算定の根拠を開示するかが焦点だ。
経営の負担
低い——開示のみ
最短のきっかけ
次回のガバナンス報告書
05 · バリュエーション

シナリオ

2026年7月13日の終値¥438、2026年3月期営業利益¥28.4億、2027年3月期計画¥25億、企業価値¥64億を基準にした試算である。以下のレンジは会社予想でも目標株価でもなく、JIIによる推計である。

弱気シナリオ
¥360 – ¥410
−18%〜−6%
想定倍率 · EV/営業利益 約2.5–3.5倍
選別受注の効果が有限と分かり、採算は旧来の約4.5%へ戻り、親会社は何もしない。構造が解消の理由を与えないため、ディスカウントは続く。時価総額の約48%に相当するネットキャッシュが下値を抑える。
成立の条件
  • 営業利益率が約4.5%へ後退
  • 追加の資本還元なし
  • 親会社が動かない
  • 倍率が約3倍で停滞

ネットキャッシュと配当が、¥360近辺で下値を抑える。

基本シナリオ
¥470 – ¥560
+7%〜+28%
想定倍率 · EV/営業利益 約4–5倍
営業利益は計画の¥25億前後に落ち着き、採算は旧来の水準を上回って推移する。会社はより多くの現金を還元し——増額の自己株買いや配当性向の引き上げ——倍率はPBR1倍へ向かい、同業ディスカウントの一部が縮む。約¥25億の営業利益に低サイクル時の倍率を掛け、ネットキャッシュを加える。
成立の条件
  • 営業利益 ≈ ¥25億
  • 採算が約5.5%超を維持
  • 資本還元の拡大
  • P/Bが0.8〜0.9倍へ
強気シナリオ
¥620 – ¥900
+42%〜+105%
想定 · 完全子会社化 / 同業並みの再評価
親子上場が整理される——3〜4割のプレミアムを付けた完全子会社化ならこのレンジの上限近辺だ——か、資本還元の積み上がりとともに、株価が鉄道系ゼネコン同業の営業利益6〜8倍へ見直される。親会社が対価を払うか、市場が評価を上げるかのいずれかだ。
成立の条件
  • 親会社のTOBまたはスクイーズアウト
  • または同業並みのEV/営業利益へ
  • 継続的な資本還元
  • PBR割れの解消

南海にとって買い取りは安いが、時期は読めない。

サム・オブ・パーツ · 事業
建設+不動産
営業利益(FY3/26 · 予想)¥28.4億 · ¥25億
売上高 · 成長率¥458億 · −13.5%
連結営業利益率6.2%
想定EV/営業利益レンジ4.0–6.0倍
含意される事業EV¥100億 – ¥150億
親会社構造を割り引き、計画¥25億前後の通常時営業利益を基準にする。
サム・オブ・パーツ · ネットキャッシュ
バランスシート
現金・預金¥67億
有利子負債¥8億
= ネットキャッシュ¥59億
ネットキャッシュ / 時価総額+48%
レバレッジほぼ無借金 · 自己資本比率56%
時価総額のほぼ半分に相当するネットキャッシュが、株価の下支えとなる。
同業ラダー · 実績EV/営業利益
現値 · 2026年7月13日
1850 南海辰村建設 *約2.2倍
1799 第一建設工業約6.5倍
1720 東急建設約6.9倍
1835 東鉄工業約8.1倍
* 対象企業。鉄道系ゼネコン。各社それぞれの営業利益と現値に基づき、EDINETの評価指標は使用していない。
同業ラダー · 各社の位置づけ
最も近い上場類似企業
東急建設東急グループのゼネコン、上場を維持する関連会社
第一建設工業JR東日本系の鉄道系ゼネコン
東鉄工業JR東日本系の鉄道系ゼネコン
注記いずれも鉄道系、すべて6倍超
南海辰村建設は、この中で最も割安かつ最も支配色が強い。
コア調整 · 有価証券
非事業性の投資
投資有価証券(簿価)¥13億
営業利益に含まれないはい
= EVから控除−¥13億
倍率への影響EV/営業利益 2.2倍 → コア 約1.8倍
基準現金+有価証券控除後のコアEV
これらのリターンは営業利益に含まれないため、EVに残すと事業倍率が高めに見える。
エクイティ・ブリッジ · 1株当たり含意価値
事業EV+ネットキャッシュ+有価証券、自己株控除後1株当たり
事業EV(営業利益¥25億 × 4.0–6.0倍)¥100億 – ¥150億
+ ネットキャッシュ+ ¥59億
+ 投資有価証券+ ¥13億
= 含意される株主価値¥172億 – ¥222億
÷ 自己株控除後株式数28,027,542
= 1株当たり含意価値¥614 – ¥792 · 中央値 約¥700
対 終値 ¥438+40%〜+81%
中央値の約¥700は、親会社による買い取りプレミアムの水準に近い。市場はこの構造を、親会社が約¥60億で解消し得るディスカウントで評価している。これはJIIの推計であり、予測や目標株価ではない。
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