J|I Japan Investor Interface · Compounder 銘柄レポート
東証スタンダード · 6037 · 7月期 Rakumachi, Inc.
楽待株式会社
不動産投資ポータル · 楽待 · 加盟店サブスク型マーケットプレイス
終値
¥9772026年5月26日
2025年9月高値から −35% · 2024年5月安値から +99%
時価総額 / EV
¥192億 / EV ¥180億
事業性ネットキャッシュ ¥12億(時価総額の6%)· 加えて非事業性 米ドル建社債 ¥41億(別建ての余剰資金プール)· 有利子負債ゼロ
EV / EBIT · 予想
10.0x
実績 11.6x · 国内デジタル・マーケットプレイス類似企業中央値 ~6.7x · 営業利益率48.9%でプレミアム正当化
ROCE · 実績
28% · 3期推移
7/23期 24.3% → 7/24期 20.1% → 7/25期 28.2% · 再拡大
営業利益率 · 全社
48.9% · 7/25期実績
7/26期上期 55.3% · 7/26期会社計画 51.4% · 単一セグメント・ポータル事業
発行株式 & 浮動株
1,964万株 · 自己株控除後
坂口家保有 68.2% · VIS Advisors 5.1% · 7/26期は累計85万株の自社株取得を決議済
01 · 株価レジーム

24ヶ月の株価動向

楽待は、賃貸アパート、駐車場、小型商業ビルといった収益不動産を販売したい全国の不動産仲介会社向けに、収益不動産を購入したい個人投資家に物件を見せるための月額制掲載サブスクを販売している。集客は20年来の「収益不動産」関連検索でのオーガニック上位表示と、個人投資家向けの不動産投資解説動画を配信するYouTubeチャンネル(累計再生10億回を2025年末に突破)でほぼ無料化されている。

6037 vs TOPIX · 24ヶ月 · 日足ローソク+出来高
高値 ¥1,493 · 2025-09-16 安値 ¥492 · 2024-05-16 現在 ¥977
楽待 · 日足ローソク 60日移動平均 TOPIX リベース (1308.T) 出来高

01 · ラリー局面 楽待が運営しているのは一つの製品、収益不動産専業のマーケットプレイス「楽待」ポータル(rakumachi.co.jp)のみである。2026年1月時点で約48.7万人の個人投資家がサイトを無料で利用し、5,459店の不動産仲介会社が物件掲載のために月額料金を支払っている。これに加え小規模な収益ラインが3つ乗っている。投資家が条件登録した物件を仲介会社が個別提案できる特許機能、追加機能を求める個人投資家向けの月額制サブスク「楽待プレミアム」(7/26期H1のARPUはYoY +17%)、そして不動産管理会社や金融機関向けに販売するタイアップ動画広告である。OPMが高い理由は2つだ。第一に、顧客獲得コストがほぼゼロに近い:会員はサイトに、20年かけて積み上げた日本語検索でのランキングと、2025年末に累計再生10億回を突破したYouTubeチャンネル経由で集まる。第二に、Premiumサブスクとタイアップ動画には値上げ余地がある。本業の外側に、これとは別建ての¥40.8億の米ドル建社債(満期保有、平均利回り5.5%、半年ごとに約¥1.14億の受取利息)が置かれている。この利息は営業利益の下の段に計上されるため、OPMを押し上げない。さらに、社債に滞留している1円は、本業に再投下されたときに稼げる金額の約5分の1しか稼いでいない。したがってこの社債ポートフォリオは、自己株式取得などで取り崩されない限り、全体の資本収益率にとって追い風ではなく構造的な重しになる。株価は2024年5月16日の¥492から2025年9月16日の¥1,493へと3倍に上昇した。背景は3つの開示である。2024年9月の7/24期通期決算は、売上が+13%¥23.6億、OPMは44.9%を維持し、同時にキャッシュから¥41.7億を新規の米ドル建社債ポートフォリオに移した。2025年9月12日の7/25期通期決算は、売上が33.6%増の¥31.6億、OPが45.6%増の¥15.5億、OPMは48.9%に切り上がった。同日に、創業者・坂口直大氏から長年マーケティング部門を率いた藤江良氏への代表取締役交代と、12ヶ月で4回目の自己株式取得(上限50万株・¥7.5億)が発表された。

02 · 高値圏での消化 2025年9月の高値から8ヶ月で、株価は約3分の1を吐き出し、2026年3月13日には¥990まで戻った。一方で、この期間中の事業数字は良好だった。2025年10月の定時株主総会で取締役会が4名から7名に拡大され、長年の在籍部門長2名が社内取締役として加わった。創業者の68.2%保有は変わらないが、日常業務との間に取締役層が1段増えた形になる。2025年12月の7/26期Q1と2026年3月の7/26期H1の決算では、OPが前年同期比+43.4%、売上が+14.9%、H1のOPMは55.3%、上期累計売上は¥17.57億に達した。つまり株価下落の原因は事業の減速ではない。よりシンプルな読み方は、2024年5月の安値¥492から約3倍に達した2025年9月の高値が、薄い出来高で形成されたという点にある。坂口家保有68.2%、対外開示上の唯一の5%超株主はVIS Advisors LPの5.08%、機関投資家が実際に売買できる実質浮動株は発行株式の約4分の1である。浮動株が薄いと、わずかな買いの流入で株価が大きく上昇する一方、その買いがわずかに止まるだけで、ほぼ同じ距離まで価格が戻ってしまう。

03 · 現時点 2026年5月25日、会社は二つの発表を同時に行った。一つ目は新たな自己株式取得枠で、上限60万株(自己株控除後の3.09%)・¥5.0億、取得期間は2026年11月27日まで。二つ目はKPIの訂正開示である。会社は、2025年9月の7/25期通期決算から始まる過去6開示で報告してきたページビュー(PV)数値を遡及訂正した。重要なのは、訂正対象がPVの数値のみで、売上・利益数値はいずれも変更されていないという点である。理由はシンプルで、加盟店は「掲載件数」に対して月額料金を支払うのであって、「ページビュー数」に対して支払うのではない。したがってPV数値を訂正しても、会社が実際に課金している金額には何も影響しない。一方で、過大計上の規模そのものは、より新しい開示ほど拡大している。7/25期通期PVは−0.6%、7/26期Q1 PVは−5.6%、7/26期H1 PVは−8.5%下方修正された。訂正後、7/26期H1のYoY PV成長率は+23.2%から+12.7%に低下する。会社は原因を「社内のPV集計プロセスを再点検した結果、誤りがあった」と説明しており、それ以上には踏み込んでいない。今後4四半期で確認すべきは3点である。第一に、訂正後のPV系列に「ページビューを今後どのような手順で集計しているのか」を説明する注記と、複数年分の月次遡及データが添えられ、会員プールの成長軌道が原始記録と突き合わせて検証可能になるか。第二に、現在本業の外側に滞留している¥40.8億の米ドル建社債(総資産の約3分の2、本業に再投下すれば5倍の利回りを稼ぐはずの資金)を、会社が実際に取り崩して、より大型の自己株式取得に充てるかどうか。第三に、ニッチ・ポータルのモートが、国内デジタル・マーケットプレイス類似企業中央値の予想EV/EBIT 6.7xに対し10.0xで取引される現状において、なお拡大しているのか成熟しているのか。

02 · 投資家論点

市場で議論されている3つの問い

直近の四半期開示と2026年5月25日の訂正開示から、3つの未解決の問いが浮かぶ。それぞれがバリュエーションの異なる部分を決定する。

論点 01 · 開示の信頼性
2026年5月25日のPV訂正は、「今後はこう数えます」という説明1枚で会社が閉じられる一過性のミスなのか、それとも投資家がこれまで支払ってきた「会員プールの成長ストーリー」を引き下げて評価し直すべきサインなのか。
強気派 強気派は、売上・利益数値が訂正対象外であること、加盟店契約は掲載数連動でありPVは記述的指標に留まること、訂正後でも上期営業利益率が前年同期比+11pt の55.3%に達することを観察している。訂正後でもPVは7/25期通期で+22.8%、7/26期上期で+12.7%と方向性は維持される。論点が落ち着くのは、2026年6月予定の第3四半期開示が3年分の月次PV系列の遡及データと集計方法の注記を伴って公表され、それ以降の四半期で新たな訂正が発生しない場合である。
弱気派 弱気派は、訂正幅が開示時点ごとに 0.6%5.6%8.5% と拡大しており、これは一過性のバグというより集計パイプラインの構造的なドリフトに整合的だと観察している。訂正開示は新たな自己株式取得決議と同日に発表され、第三者保証先の言及は無く、監査法人による訂正系列への注記もない。論点が落ち着くのは、2026年9月予定の7/26期通期開示で第三者によるKPI保証が導入されず、過去開示の経営指標がさらに下方修正される場合である(弱気シナリオ)。
論点 02 · 資本の振り向け先
¥40.8億の米ドル建社債(総資産の約3分の2)は、本業を律する戦略的な外貨建て準備金なのか、それとも本業に再投下した際の5倍の収益性を放棄したまま運用される滞留資本なのか。
強気派 強気派は、7/26期に既に85万株・¥8.0億の自己株式取得を決議していること(12ヶ月で2回の新規枠)、発行株式が21.15M株から19.75M株まで減少したこと(2025年10月に140万株を消却)、そして7/26期DPS予想¥13が5期連続の増配となることを観察している。米ドル建社債は日本の預金金利を大きく上回る5.5%の利息を稼ぐ。創業者坂口氏が68.2%を保有しているため、自社株式取得を行うほど同氏の持分は上がり、逆に新株発行で買収や成長投資を行えば希薄化する——つまり創業者の経済利益は、会社が現在進めている自社株式取得路線と一致している。論点が落ち着くのは、7/27期の累計株主還元(配当+自社株式取得)が¥15億以上に到達し、社債ポートフォリオの簿価が期中に¥35億を下回る場合である。
弱気派 弱気派は、総資産の約3分の2が非事業性の有価証券に滞留していること、配当方針が依然「配当性向20%水準」のまま、本業の資本利益率は28.2%であること、そして20年間にM&A・海外進出ゼロという資本配分の履歴が価値抽出型であって価値創造型ではないことを観察している。為替リスクは7/25期有報の事業等のリスクで明示されており、ポートフォリオ取崩しと連動する複数年の総還元方針は提示されていない。論点が落ち着くのは、2026年9月の通期開示で配当性向目標が現行の20%のまま据え置かれ、社債ポートフォリオの簿価が期末で¥40億以上に留まる場合である。
論点 03 · モートの軌跡
専業ニッチポータルの構造優位は、加盟店ベースが国内宅建業者の24倍の余地に対して拡大局面にあるのか、それとも訂正後のPV成長率が半減し、会員獲得が減速する成熟局面に入っているのか。
強気派 強気派は、楽待が課金顧客として抱える加盟店数5,459店が、国内に約13万件存在する宅建業者全体の約4%に過ぎず、残り96%がそのまま余地であることを観察している。YouTubeチャネル登録者数はYoY +35.3%の145万に達し、累計再生10億回を超えた。楽待プレミアム会員も+14.7%、ARPUは約17%増。収益不動産専業領域に同規模の競合は依然として存在しない。論点が落ち着くのは、2026年9月の通期開示で加盟店数が5,700店以上、登録会員数のYoY成長率が+13%超、Premium会員のYoY成長率が+15%超となる場合である。
弱気派 弱気派は、登録会員数のYoY成長率が7/22期の+18%から7/25期の+13.2%、7/26期H1の+12.4%へと逓減していること、訂正後のH1 PV成長率が+23.2%から+12.7%へと半減したこと、そして加盟店数のYoY成長率+9.0%が直近の数四半期で最も鈍い水準であることを観察している。7/25期有報は、住宅向けの大手総合ポータル——SUUMO(リクルートホールディングス運営)とLIFULL HOME'S——が投資用領域に本格参入することを明示的な競争リスクと位置づけている。論点が落ち着くのは、2026年9月の通期開示で加盟店数のYoY成長率が+9%未満、登録会員数のYoY成長率が+12%未満、訂正後PV成長率が+12%未満になる場合である。
03 · カタリスト

資本効率の梃

直近の四半期開示と2026年5月25日の訂正開示から導かれる3つの開示・資本政策の梃。いずれも増益を必要とせずにバリュエーションを再評価させ得る。

梃 01 · 開示
新しいPV数値を外部監査人に検証してもらい、集計方法を平易な言葉で開示する
PV訂正の規模 · 2026年5月25日付訂正開示
7/25期通期
−0.6%
7/26期 Q1
−5.6%
7/26期 上期
−8.5%
訂正後 上期PV成長率(前年同期比)
+12.7%
訂正幅は開示時点ごとに拡大 · 直近期で成長率は半減したが方向性は維持
会社は「過去のどのPV数値が間違っていたか」は説明したが、「同じ誤りを今後どう防ぐか」はまだ説明していない。これを直すには2つで十分だ。第一に、次の決算発表で「現在PVをどう数えているか」を平易な言葉で記載すること——どのログを使うか、重複アクセスをどう除外するか、何を1ビューとカウントするか。第二に、外部監査人(財務諸表を既に監査しているアーク有限責任監査法人が自然な選択肢)が「新しい集計方法が一貫して適用されている」ことを検証すること。これがないと、PV以外の数字が仮に正しくても、投資家は楽待が報告する全ての数字に割引を当て始める。追加コストは年間¥3〜5百万円程度の監査報酬と、社内のITコンプライアンス工数だけだ。
経営コスト
監査報酬 + 四半期補足資料1枚
最早トリガー
7/26期 第3四半期開示 · 2026年6月
梃 02 · 資本政策
実際の還元水準を複数年の正式な方針として開示し、社債ポートフォリオを取り崩して原資にする
自己株式取得の頻度 · 過去12〜20ヶ月 · 各バーは1回の取得実施額(¥M)
2024年9月 · 1回目
¥391M
2024年12月 · 2回目
¥357M
2025年4月 · 3回目
¥451M
2025年9月 · 4回目
¥706M
2026年3月 · 5回目(決議)
¥300M
2026年5月 · 6回目(進行中)
¥500M
発行済株式数
21.15M → 19.75M(−6.6%)
1株配当(年間)
¥8 → ¥10 → ¥13E(5期連続増配)
約20ヶ月で6回・累計約¥27億(既実施¥22億+進行中¥5億)· 2025年10月に自己株式140万株を消却 · 7/22期以降毎期増配
上の図を見ると、7/25期に会社は配当に¥2.8億、自己株式取得に¥12.0億を支出している。合計¥14.8億で、これは同期の当期純利益¥11.7億の約126%に相当する。一方で、会社が文書で掲げている配当方針は「配当性向20%程度」のままだ。つまり「実際にやっていること」と「会社が正式に掲げていること」が大きく乖離している。これを直す方法は、実際の行動を複数年の正式方針として書き直すことだ。例えば「楽待は毎期、当期純利益の80〜100%を株主に還元する。原資の一部として、米ドル建社債ポートフォリオから年間¥10〜15億を取り崩す」と明記する。これにより、四半期ごとに「サプライズ」として処理されてきた還元は、複数年で投資家がアンダーライト可能な計画に変わる。社債を取り崩して自己株式取得に充てた1円は、社債に滞留していた1円の約5倍の利回りを稼ぐ。経営側のコストは取締役会決議1回と、IR資料に追加する一段落だけだ。
経営コスト
取締役会決議 + IR資料の注記1枚
最早トリガー
7/26期 通期開示 · 2026年9月
梃 03 · 資本政策
創業者が保有株式の一部を機関投資家に売却し、東証プライムへの上場区分変更につなげる
持株構造 · 浮動株と再評価の天井
坂口家(創業者+配偶者)
68.2%
VIS Advisors LP
5.1%
青柳取締役ほか
~1%
実質的な浮動株
~26%
創業家とロックイン分を除く実質浮動株は約4分の1 · 東証プライムの流通株式時価総額・流通比率基準はこの水準を上回る
創業者坂口氏が楽待の発行株式の68.2%を保有しているため、実際に市場で売買されている株式は全体の約26%に過ぎない——いわゆる「薄い浮動株」である。この薄い浮動株こそが、営業利益率48.9%の会社が予想EV/EBIT一桁台で取引されている構造的な理由だ。大口の機関投資家がまとまったポジションを構築しようとしても、自らの買いで株価を押し上げてしまうため、買い続けることができない。これを直す方法は、坂口氏が自身の保有株のうち300〜400万株を機関投資家に売却することだ。(明確にしておくと、これは坂口氏が既に保有している株式を新しい買い手に移すだけのもので、会社が新株を発行するのではない。したがって既存株主の希薄化は起こらない。)この売却によって実質浮動株比率は、東証プライムの流通比率基準である約35%を超える水準に上がる。その後、会社は東証スタンダードから東証プライムへの上場区分変更の申請時間軸を開示する。プライム申請の準備自体が、報酬委員会の設置、英語IR資料の継続的な発行、そして大手の上場日本企業がすでに満たしている開示水準への到達を会社に要求する。坂口氏個人のコストは売却に伴う譲渡所得税。会社側のコストは申請パッケージの法務・IR体制構築の作業である。最早の開示窓は2026年10月の定時株主総会
経営コスト
申請の法務パッケージ + IR体制構築
最早トリガー
定時株主総会 · 2026年10月
04 · バリュエーション

3つのシナリオ・パスウェイ

今後4四半期に楽待がたどり得る経路を3通り並べる——弱気・基本・強気。それぞれ、CONTENTIONで挙げた未解決の問いとCATALYSTで挙げたレバーがどう動くかという仮定の下で、株価がどこに着地するかを描いている。いずれも予想ではない。

弱気シナリオ
¥700 – ¥850
−28% から −13%
想定倍率 · 予想EV/EBIT ~5.5〜6.5x
訂正後PV系列に第三者保証が入らず、加盟店・会員数の成長率がさらに鈍化し、配当性向目標は20%のまま、社債ポートフォリオも温存される。

弱気帯の¥700〜¥850は予想EV/EBITで~5.5〜6.5xに相当し、国内デジタル・マーケットプレイス類似企業中央値6.7x(LIFULL 8.0x、GAテクノロジーズ 5.3x、Temairazu 4.5x)を下回る水準。日本の小型上場マーケットプレイス領域で見られる非公開化買い手帯(5〜7x EV/EBIT)寄りのレンジになる。

基本シナリオ
¥950 – ¥1,200
−3% から +23%
想定倍率 · 予想EV/EBIT ~7.5〜9.5x
第3四半期開示で3年分の月次PV系列と方法論注記が公表され、7/26期の会社計画は±5%以内で達成、株主還元は7/25期の年率を維持しつつも方針自体の書き換えは見送られる。
強気シナリオ
¥1,350 – ¥1,650
+38% から +69%
想定倍率 · 予想EV/EBIT ~10〜13x
3つの梃のうち少なくとも1つが具体化する:KPIの第三者保証が導入される、社債取崩し計画と連動した複数年の総還元方針が開示される、または売出しと東証プライム申請の時間軸が並列で示されることで実質浮動株が拡張する。

強気帯の¥1,350〜¥1,650は予想EV/EBITで~10〜13xに相当し、国内デジタル・マーケットプレイス類似企業の上位帯(Azoom 14.5x、LIFULL 8.0x)の中で、海外ニッチポータル(Rightmove、REA、Hemnet)の~17〜25x帯の下端を下回る水準。上限近辺の倍率は現状の10.0xから約3ターン高い水準である。

SOTP · 中核ポータル事業
物件掲載 + 提案 + 広告 + プレミアム + 査定の各収益ライン · 単一報告セグメント、本業収益の約88%(非事業性利息収入除く)
7/26期計画 ポータル収益~¥35億
セグメント営業利益率(7/26期計画)~51.4%
想定ポータル営業利益(基本ケース)~¥18億
類似企業倍率(LIFULL 8.0x、GAテク 5.3x、Temairazu 4.5x、Azoom 14.5x)~7〜12x EV/EBIT
基本ケースのポータルEV: 予想営業利益の8〜12倍で ~¥140〜220億
類似企業倍率ラダー · 2026-05-26
JIIが選定した国内上場デジタル・マーケットプレイス類似企業 · 2026-05-26 の株価で EV を再計算
6037 楽待(本レポート対象)予想 10.0x · ROCE 28%
2120 LIFULL(住宅ポータル、総合)予想 ~8.0x · ROCE 8%
3491 GAテクノロジーズ(プロップテック、仲介サイド)予想 ~5.3x · ROCE 9%
3496 AZOOM(単一不動産マーケットプレイス)予想 ~14.5x · ROCE 16%
2477 Temairazu(小型デジタル・マーケットプレイス、営業利益率73.6%)予想 ~4.5x · ROCE 16%
4499 Speee(7/26期計画営業赤字のため除外)n/m
上記4社の予想EV/EBIT中央値は~6.7x。楽待は10.0xで、この中央値より約50%高い。この上乗せは、楽待の高いOPM(48.9%、類似企業は1桁台後半〜10%台前半)と高いROCE(28.2%)で正当化される。
SOTP · クロスチェック合計
中核ポータル + 非事業性社債 + 運転キャッシュ — EVから1株あたりへの橋渡し
中核ポータルEV(予想営業利益の10倍ケース)~¥180億
米ドル建社債(満期保有、簿価)¥40.8億
運転キャッシュ + 短期有価証券¥14.1億
SOTP 想定エクイティ価値~¥235億
1株あたりSOTP(自己株控除後 1,964万株で除算)~¥1,200
3つのカタリスト梃のうち1つが具体化した場合、SOTPは基本〜強気シナリオを支持 · 現状時価総額¥193億に対しSOTP基本ケース~¥235億
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