J|I Japan Investor Interface · Compounder 銘柄レポート
東証プライム · 2378 · 3月決算 RENAISSANCE INCORPORATED
株式会社ルネサンス
フィットネスジム・スイミング/テニススクール・ホームフィットネス機器・介護リハビリを手がける総合スポーツクラブ最大手——減損の続いた時期を経て再建へ
終値
¥1,0402026年7月9日
−19% 2025年9月高値から · 2026年6月安値から+7%
時価総額 / EV
¥197億 / EV ¥419億
ネット負債 ¥222億(うちリース¥148億)· 自己株控除後18.9M株
EV / 営業利益 · リース込み
~23
27年3月期予想営業利益¥18億ベース · リース除き ~15倍 · EV/EBITDA 8.5倍
使用資本利益率(ROCE) · 直近
3.9%
25年3月期の4.9%から低下 · 純損失によりROEはマイナス
営業利益率 · 全社
2.4% · 全社
25年3月期 3.1% · 30年3月期計画 4.5% · 従業員2,020名
発行株式数 · 株主構成
18.9M株 · 戦略保有 約40%
創業株主DIC 17.8% · アドバンテッジ 9.9%(優先株)· SOMPO 7.6%
はじめに

ルネサンスは何をしている会社か?

ルネサンスはスポーツクラブを運営する。ジム・プール・テニスコートを一つ屋根の下に収め、子ども向けのスイミング/テニススクールも併設する。そうした地域密着型の総合スポーツクラブを全国展開する国内最大手の一つである。2026年3月期末で231クラブに442,085人の会員を抱える。1979年にインキ・化学品メーカーのDICから分社して生まれ、DICは現在も17.8%を持つ筆頭株主である。

会員は月額会費を払うため、売上は一度きりの販売ではなく、小口の反復収入の積み重ねである。スポーツ施設——フィットネス会員とスイミング/テニススクール——が売上高649億円の84.9%を占める。残りは、同社が育てようとしている3つの新しい事業から来る。テレビショッピングとEコマースで販売するホームフィットネス機器、介護リハビリのデイサービス、自治体や企業の健康保険組合と結ぶ健康増進契約である。退会率は年約3.2%と低い。

この10年、同社は規模を買うことで成長してきた。競合の総合クラブチェーンである東急スポーツオアシスを買収し、2024年3月に完全子会社として連結し、2025年4月に吸収合併した。この取引で2025年3月期の売上高は436億円から637億円へ増え、ルネサンスは売上で業界最大手となった。さらに2025年12月に介護事業の楓の風を、2026年3月にアウトドアフィットネスのBEACH TOWNを買収した。

その規模を、ルネサンスは利益に変えられなかった。2026年3月期の売上高は1.9%増の649億円だが、営業利益は19.6%減の15.7億円、営業利益率は2.4%——コロナ前に稼いでいた8%を下回る。さらに、不採算の都心店を整理するために38施設で計上した30.6億円の減損が、21億円の純損失を生み、自己資本比率を17%へ押し下げた。使用資本利益率(ROCE)は3.9%と、妥当な資本コストを下回る水準である。

2026年5月8日の取引終了後、2025年4月に就任した望月美佐緒社長は、旧来の3カ年計画を撤回し、2026-2030年の中期経営計画を打ち出した。新計画は投資をクラブから、低資本のホームフィットネス・介護・自治体向け健康事業へ振り向け、2030年3月期に営業利益率4.5%、営業利益35億円を掲げる。投資家への問いは、2028年3月期にリース会計の新ルールが自己資本比率を10%近くまで下げる前に、コスト改革が利益率をほぼ倍にできるかである。本レポートはこの問いを、株価がここに至った経緯、投資家が割れている論点、すでに起きた変化、倍率を動かし得る開示、事業の価値という5段階で読み解く。

01 · 株価レジーム

過去2年、株価を動かしたものは何か?

ルネサンスは総合スポーツクラブ——ジム・プール・テニスコートを一つ屋根の下に置き、子ども向けのスイミング/テニススクールも備える——を運営し、会員は月額会費を払う。この中核の周りで、ホームフィットネス機器を販売し、介護リハビリのセンターを運営し、指定管理者として自治体の公共スポーツ施設を運営する。

2378 vs TOPIX · 24か月 · 日足+出来高
ピーク ¥1,290 · 2025-09-25 安値 ¥973 · 2026-06-04 現在 ¥1,040
ルネサンス・日足 60日移動平均 TOPIX リベース (1308.T) 出来高

01 · 合併に買いが集まったとき 株価は2024年6月の¥960から上昇し、2025年9月25日に直近2年の高値¥1,290を付けた。ルネサンスは2024年3月に東急スポーツオアシスを連結し、2025年4月に合併した。2025年3月期の売上高は637億円へ増え、売上で国内最大手となり、投資家は規模に買いを入れた。市場は夏場を通じて拡大後の同社を回復ストーリーとして扱った。株価は上昇するTOPIXに終始遅れたが、なお上向きだった。

02 · 規模が利益にならなかったとき 9月の高値から株価は8か月下げ続けた。拡大した会社が四半期ごとに増益にならなかったためだ。第1四半期の営業損益は2.8億円の赤字(8月8日引け後)、上期はほぼ均衡、第3四半期の営業利益は前年比46%減(2月12日引け後)だった。オアシスの合併は、会員数の増加より速く減価償却と本社費を積み増し、自己資本比率は21.8%から17.0%へ下がった。株価はこの2年でTOPIXを約40ポイント下回った。

03 · 新経営陣が膿を出したとき 2026年5月8日の引け後、ルネサンスは多くを一度に発表した。2026年3月期決算は38施設で30.6億円の減損と21億円の純損失を計上した。岡本利治会長は代表取締役を退き、望月社長が単独の代表となった。会社は2024-2027年計画を2026-2030年計画に切り替えた。翌営業日の下落はわずか2.0%——高値からすでに約22%下げ、悪材料を概ね織り込んでいた。6月4日に¥973で底を打った。

04 · 現時点 株価は¥1,040へ戻し、6月安値から約7%上にある。この水準で、リース負債148億円込みの企業価値は約419億円である。会社の2027年3月期予想営業利益18億円の約23倍だが、2030年計画の35億円なら約12倍にとどまる。投資家は再建を一部織り込みつつ、数字での確認を待っている。問いは、2028年3月期のリース会計が自己資本比率を10%近くへ下げる前に、コスト改革が利益率を上げるかである。

02 · 投資家論点

市場で割れている論点

約44万人の反復収入基盤を持つ会社が、純損失を経てなお2025年の高値を下回って取引される理由を、3つの論点が説明する。いずれも2026-2030年計画が軌道を変えるかにかかり、今後1年以内の開示で検証される。

論点 01 · 利益率
コスト改革は、費用の上昇より速く利益率を上げられるか。

ルネサンスはコロナ前は営業利益率8%だったが、2026年3月期は2.4%である。経営陣は、不採算クラブの閉鎖、ソフトとAIで本社費を売上比6.1%から5.2%へ削減、値上げで立て直すという。論点は、これらが、資産の重い事業を圧迫する賃料・光熱費・人件費の上昇を上回れるかである。

強気 強気は、2025年10月の数年ぶりの値上げを挙げる。平均会費収入を2.2%押し上げ、退会率は3.2%に保たれた——会員は受け入れた。30.6億円の減損は最悪の38クラブの重しを一括で外し、計画はオアシス統合の一時費用を2028年3月期までに解消する。業績予想は2027年3月期に営業利益を15%増の18億円とする。強気の見方が裏付けられるのは、2027年3月期の利益率が2.6%を上抜け、会費収入が伸び続ける場合である。
弱気 弱気は、経営陣自身が問題を構造的と呼ぶ点を突く——費用が売上より速く伸びてきた——うえ、2024年に書かれた前3カ年計画は達成不能として放棄された。賃料は10〜30年のリースに縛られて速くは切れず、電力と賃金は上がり続け、安価な24時間ジムが値上げの余地を抑える。2.4%の利益率は、次の減損までの誤差の余地がほとんどない。弱気の見方が説得力を増すのは、2027年3月期の営業利益が予想の18億円を下回るか、新たな減損が出る場合である。
論点 02 · 事業転換
クラブ脱却は価値を生むか、弱い本業を薄めるだけか。

計画はこの戦略を「スポーツクラブへの依存を超える」と呼ぶ。2030年3月期までに、自治体・企業向け健康増進、介護リハビリ、ホームフィットネスの低資本3事業を伸ばし、クラブ売上はほぼ横ばいに保つ。論点は、これらが採算に見合うか、経営資源を薄めるだけかである。

強気 強気は、新しい事業がクラブの既存資産——運動プログラム、トレーナー、リハビリのノウハウ——を、クラブを増やさずに使うと論じる。介護リハビリの売上は楓の風買収を経て2026年3月期に22.1%伸び、自治体・企業向け——公共プールの運営、学校水泳の受託、職場の健康プログラム——は資本をほとんど要さず4.2%伸びた。これらは高齢化とともに伸びる市場である。強気の見方が強まるのは、非クラブ事業が横ばいのクラブ利益を補う営業利益の合計に届く場合である。
弱気 弱気は、ホームフィットネスが2026年3月期に、ヒット商品のステッパーの反動で18.6%減った点を挙げる——これらの事業が安定ではなく変動的だという証しである。介護リハビリはなお赤字で、公定価格の報酬に依存する。いずれもまだ売上650億円の会社を動かすには小さく、上場の実績もない。グループ自身の低いリターンを下回る成長を買えば、平均は上がらず下がりうる。弱気の見方が残るのは、非クラブ事業が2028年3月期まで小規模か赤字にとどまる場合である。
論点 03 · 財務基盤
薄い自己資本は増資を迫るか。

自己資本比率は17.0%で、計画は2028年3月期からのリース会計の新ルールが多くのリースを貸借対照表に載せ、10%へ押し下げるとする。リース込みのネット負債222億円は、時価総額197億円を上回る。論点は、会社がキャッシュフローで財務を立て直せるか、増資が要るかである。

強気 強気は、計画が今後5年の営業キャッシュフロー260億円のうち100億円を負債返済に充てる点を挙げる。投資140億円と配当20億円に先立つ配分である。株主構成は安定している。創業株主のDICが17.8%、SOMPOと住友生命の保険2社で計12.4%、企業価値向上を掲げるアドバンテッジが優先株を持つ——希薄化を伴う増資を迫りにくい顔ぶれである。13円の配当は損失の年も維持された。強気の見方が成立するのは、新株を発行せずネット負債が毎年減る場合である。
弱気 弱気は、2026年3月期に営業利益が金利を1.9倍しかカバーせず、41億円の設備投資の後でフリーキャッシュフローがわずかにマイナスだった点を挙げる。アドバンテッジの20億円のA種種類株式は普通株主に優先する。改革が遅れるか新たな減損が出れば、17%——間もなく10%——の自己資本比率は緩衝が乏しく、最も安い解決策は新株発行になる。弱気の懸念が現実になるのは、2028年3月期までネット負債が増え続け、自己資本比率が下がり続ける場合である。
03 · 変化点

すでに起きた変化

株主構成 · 安定 · 創業株主DICと保険が不動、アドバンテッジが可変 顧客関係 · 実証済み · 会員44万人・退会率3.2%・初の値上げを受容 エッジ/陳腐化 · 検証中 · コスト上昇が整理を迫り、事業転換が答える
株主名簿に誰がいて、売っている者はいるか。

DICは創業以来17.8%を持ち、売っていない。ルネサンスは1979年にインキメーカーDICの社内ベンチャーとして始まり、上場までDICが全株を保有した。DICの株数はこの10年動いておらず、比率が下がったのは会社が新株を発行したためにすぎない。これは需給の重しではなく安定した錨である——ただしDICは意向を一度も示しておらず、最大の保有は据え置かれた問いのままである。

アドバンテッジパートナーズは2022年11月、35億円の資本・業務提携で参画した。非上場のA種種類株式2,092,000株——「9.9%」の持ち分を取得した。企業価値向上ファンドが名簿にいれば、通常はリターンと資本規律を求める。その優先株の構造は普通株主に優先する。意味するところは、関与する株主が再建を支えていることである。次の確認材料は、計画の進行とともにアドバンテッジの保有と意向が明確になるかである。

三菱地所は2023年3月期までに退出した。1991年からの合弁パートナーだった三菱地所は、従来の持ち分を売り切って上位10位から外れた——すでに移動した浮動株であり、名簿はDIC・保険各社・アドバンテッジにより集中した。

会員は残り、より多く払っているか。

オアシスの合併は2025年4月に会員基盤を広げた。東急スポーツオアシスの吸収はクラブを増やし、より重要なことに、オアシスの販路で獲得した法人・健康保険の月会費会員を加えた。会員数は2026年3月期末に442,085人、1.7%増で終えた。意味するところは、会社全体を支える反復収入基盤が、利益が落ちるなかでも増えたことである。次の確認材料は、進行中のクラブ閉鎖を通じて会員数が保たれるかである。

数年ぶりの値上げが定着した。2025年10月にルネサンスは会費を上げ、平均会費収入は2.2%増の10,193円となり、退会率は3.2%に保たれた。価格に手を付けずコスト上昇を吸収してきた事業にとって、これはその一部を転嫁できる初の証拠だった。次の確認材料は、会員を失わずに2回目の値上げが受け入れられるかである。

安定、そしてその意味:44万人基盤の低い退会率は、損失の年でも株式の物語を壊さなかった理由である——経営陣がコスト側を作り直す間も、現金は入り続ける。

クラブ型モデルは侵食されているか。

安価な24時間ジムが低価格帯をコモディティ化している。無人・小型のジム——チョコザップとその模倣——が増え、トレッドミルだけを求める会員に対し価格で総合クラブを下回る。ルネサンスはジムフロアを24時間営業に変え、浴場やコワーキングを加えて上位価格帯を守るが、低価格帯は競争にさらされる。これは進行中の脅威であり、検証の途上にある。

コスト上昇が2026年5月の整理を迫った。資産の重い店舗網の賃料・光熱費・人件費が売上より速く上がり、経営陣は38クラブを減損し、賃料の高い都心6店の撤退を決めた——30.6億円の減損である。意味するところは、「全クラブを維持する」前提が崩れたと認めた点にある。次の確認材料は、閉鎖が基盤を縮めずに平均利益率を上げるかである。

その答えは、資本の軽い領域に投じることである。2028年3月期のリース会計を前に、計画は新たな資金をホームフィットネス・介護リハビリ・指定管理へ振り向ける——10〜30年の建物リースなしに伸びる形態である。次の確認材料は、スライド上だけでなく設備投資が実際に移るかである。

04 · カタリスト

開示と資本のレバー

計画が業績に表れるまで、市場は計画に対価を上乗せしない。日付を伴う3つの開示が、今後1年の評価の大半を左右する。

レバー 01 · 実行
四半期の数字で利益率の反転を示す
営業利益率 · 実績→計画(%)
20年3月期(コロナ前)
7.3%
26年3月期実績
2.4%
27年3月期予想
2.65%
30年3月期計画
4.5%
計画は26年3月期の底から利益率をほぼ倍にし、コロナ前の水準へ——そこまでではなく——近づける
減損と新計画は発表済みで、証明されていないのは、作り直したコスト基盤がより多く稼ぐ点である。最初の手掛かりは2026年8月初旬に予定される第1四半期決算だが、6〜8月は季節的に最も弱く、より公正な試しは11月の中間決算である。本社費の減少と不採算クラブの消滅を示す四半期が重なるほど、利益率は通期予想の2.65%へ近づく。確認材料は、会員数が伸び続けたまま、上期の営業利益率が直近実績の2.4%を上回ることである。
経営の負担
現金でなく実行
最短の契機
27年3月期1Q決算 · 2026年8月初旬
レバー 02 · 事業構成
非クラブ事業を、開示された伸びる利益に変える
事業別売上 · 26年3月期→30年3月期計画(億円)
スポーツクラブ
551 → 580
自治体・企業向け健康
34 → 82
ホームフィットネス
39 → 55
介護リハビリ
25 → 42
クラブはほぼ横ばい。770億円目標は、資本の軽い3事業が約1.5倍に伸びることにかかる
計画の形——クラブは横ばい、それ以外は成長——は、ルネサンスが事業を分けて開示し、売上だけでなく利益を示して初めて検証できる。介護リハビリは買収後にすでに22.1%伸び、自治体・企業向けは資本が軽く4.2%伸びた。ホームフィットネスは変動が大きい。会社は2026年7月に東急スポーツシステムから8クラブを、2026年4月に介護5施設を引き継いでおり、近い将来の上乗せには日付がある。注視すべき兆しは、横ばいのクラブ利益を補う、非クラブ事業の開示された営業利益である。
経営の負担
セグメント開示と設備投資
最短の契機
26年3月期の年次詳細 · 開示済み
レバー 03 · 株主還元
負債削減を、信頼できる還元の枠組みに変える
5年間の営業キャッシュフロー · 使途計画(億円)
事業投資
¥140億
負債返済
¥100億
株主還元
¥20億
26年3月期配当(維持)
¥13.00
優先は財務基盤——還元は最小の一枠で、自己株買いはない
資本計画はその順序に正直である。5年で負債100億円を返済し140億円を投じ、その先に配当20億円を置き、配当性向40%は2030年3月期にようやく掲げる。配当は損失を通じて13円を維持し、これは自信を示す。株価が2025年の高値を下回ってなお自己株買いはない——自己資本が薄いうちは妥当だが、還元の側面を抑える。ネット負債が減り始めた段階で総還元の枠組みを明示すれば、回復が1株あたりで意図されていると投資家に伝わる。試金石は、自己資本比率が安定した後に還元へ何かが加わるかである。
経営の負担
取締役会決議と現金
最短の契機
27年3月期中間決算 · 2026年11月
05 · バリュエーション

シナリオ

¥1,040(2026年7月9日)、リース負債148億円を含む約419億円の企業価値は、2027年3月期予想営業利益18億円に対しEV/営業利益で約23倍(リース除きで約15倍、EV/EBITDAで約8.5倍)を意味する。これは低迷した利益に対する高い倍率であり、以下のシナリオは倍率ではなく回復にかかる。JIIの試算であり会社計画ではない

弱気シナリオ
¥800 – ¥950
−23% 〜 −9%
想定倍率 · 縮んだ営業利益にリース込みEV/EBITDA ~8倍
改革が失速する。コスト上昇が閉鎖の効果を相殺し、新たな減損が出るか、2028年3月期のリース会計が自己資本を10%へ削る——再建のプレミアムが剥がれる。市場はネットキャッシュのセントラルスポーツが定めるクラブ運営会社の下限まで評価を下げる。
成立の条件
  • 27年3月期の営業利益が18億円を下回る。
  • 新たな減損か店舗撤退損が出る。
  • リース会計で自己資本比率が10%へ下がる。
  • 設備投資でネット負債が増え続ける。

この場合でも13円の配当は明文の方針であり、44万人の会員基盤は現金を生み続ける。

基本シナリオ
¥1,000 – ¥1,150
−4% 〜 +11%
想定倍率 · リース込みEV/EBITDA ~8.5倍
第1段階の立て直しが計画どおり進む。2027年3月期の営業利益が予想の18億円に達し、本社費が下がり、ネット負債が減り始める。倍率はほぼ現状にとどまる——実行は軌道に乗るが、利益率の物語が見えるまで再評価はない。
成立の条件
  • 営業利益が予想の18億円に届く。
  • 上期の利益率が2.4%を上抜ける。
  • ネット負債が前年比で減る。
  • 閉鎖を通じて会員数が保たれる。
強気シナリオ
¥1,200 – ¥1,290
+15% 〜 +24%
想定倍率 · 回復した営業利益にリース込みEV/EBITDA ~8.8倍
利益率改革が表れる。営業利益が2030年3月期目標の35億円へ向かう経路に乗り、非クラブ事業が開示された利益を加え、市場は足元の低迷した利益を越えて平常収益を見る。利益の増加とともに倍率は下がる。
成立の条件
  • 営業利益率が3.5%超へ目に見えて上がる。
  • 非クラブ事業が規模を伴って黒字化する。
  • 新株発行なしにネット負債が減る。
  • 自己資本の安定後に還元のシグナルが出る。

レンジ上限は2025年9月の高値¥1,290——奪回には計画だけでなく利益率が要る。

サム・オブ・パーツ · 事業価値
一体で動くクラブ運営会社——スポーツ施設に、ホームフィットネス・介護・自治体向け健康事業を加える
26年3月期営業利益¥15.66億
26年3月期EBITDA(営業利益+減価償却)¥49.56億
26年3月期売上 · 成長率¥649.34億 · +1.9%
全社営業利益率2.4%(25年3月期 3.1%)
想定EV/EBITDA · リース込み7.5〜9.5倍
想定事業EV ~375〜475億円(7.5〜9.5倍、正常化EBITDA約50億円ベース)——下限はネットキャッシュのセントラルスポーツ(リース込み約7.9倍)、上限は資本の軽いカーブス(約10倍)が定める。営業利益は低迷しすぎて主たる基準にならず、資産の重いモデルはEBITDAで測る。
サム・オブ・パーツ · ネット負債
資産の重い貸借対照表——借入金と大きなリース負債
現金・預金¥86億
借入金+転換社債¥160億
リース負債¥148億
= ネット負債(リース込み)¥222億
ネット負債 / 時価総額113%
リースを除くとネット負債は74億円。その他資産に含まれる差入保証金119億円は、貸主に対する実質的な相殺請求権である。2028年3月期からのリース会計の新ルールはより多くのリースを貸借対照表に載せる——経営陣が自己資本比率を10%へ近づくと示す理由である。
類似企業倍率 · 予想EV/営業利益
国内上場のフィットネス/レジャー運営各社(7月9日のライブ価格、各社の予想営業利益ベース)
セントラルスポーツ(4801)~6.7倍
カーブスホールディングス(7085)~10.2倍
ルネサンス(2378)· リース除き~15.0倍*
ルネサンス(2378)· リース込み~23.3倍*
コナミグループ(9766)~15.5倍 †
2026年7月9日時点。*ルネサンスは27年3月期予想営業利益ベース、リース除きの行は他社との比較用。†コナミはゲームのコングロマリットで、フィットネスクラブは再編済みの小さなセグメントにすぎず、参考として示す。RIZAP(チョコザップ)は比較対象にならない(赤字のコングロマリット)。
類似企業 · 各社の事業内容
比較が妥当な理由と、そうでない点
セントラルスポーツ(4801)総合クラブ、土地を自社保有、ネットキャッシュ
カーブス(7085)女性向けサーキットトレーニングのFC
コナミ(9766)クラブ事業を持つゲーム企業
RIZAP(2928)チョコザップの低価格ジム、赤字
最も素直に読めるのはセントラルスポーツである。同じ総合クラブ型だが不動産を自社保有しネットキャッシュを持つため、健全な利益に対し低い倍率が付く。ルネサンスの高い倍率は、プレミアムではなく低迷した利益とリース負債を映す。
株主価値ブリッジ · 1株あたり試算
事業EV−リース込みネット負債 ÷ 自己株控除後の普通株式数
事業EV(EBITDA 7.5〜9.5倍)¥375〜475億
− リース込みネット負債¥222億
= 株主価値¥153〜253億
÷ 自己株控除後株式数18,915,942株
= 1株あたり試算¥807〜1,336
現値¥1,040比−22% 〜 +28%
中心値は1株約¥1,070——ほぼ現値である。市場は現状のクラブ事業に対価を払い、再建にはどちらの側にもほとんど織り込んでいない。このブリッジの外に2つの請求がある。アドバンテッジの非上場A種種類株式2,092,000株(普通株へ転換されれば約10%の希薄化)と13円の配当である。JIIの試算であり予測・目標ではない。
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